12月14日「宮澤・レーン事件を考える集い」  が開催され、多くの方が参加しました。              

わかりやすく戦前と現在を読み解き、現在は「新しい戦中」の前夜とみるべきと! 熱心に講演に聞き入る聴衆

 1941年12月8日、太平洋戦争開戦の日に起きたスパイ冤罪事件「宮澤・レーン事件」。

 その日を忘れまいと宮澤・レーン事件を考える会が毎年12月に開催している集いが、12月14日、北海道大学農学部で開かれ、約160名(学生35名)の市民が参加しました。

 冒頭の挨拶で考える会共同代表の唐渡興宣氏は「安倍政権は2013年に特定秘密保護法を制定し、2015年には集団的自衛権行使容認を含む安全保障関連法を制定。続く岸田政権は敵基地攻撃能力の保有と大軍拡を含む安保関連三文書を閣議決定。日本は戦争ができる国家から戦争をする国家になり、更に高市首相は台湾有事発言で中国の反発を招き、それを利用して排外主義を煽り、スパイ防止法案を検討している。」と指摘しました。

 小樽商科大学名誉教授で治安維持法研究の第一人者である荻野富士夫氏は「治安維持法と『新しい戦前』―『国体』の威力と魔力―」と題して講演。最初に上田誠吉弁護士が1987年に出版した『ある北大生の受難―国家秘密法の爪痕』により、宮澤・レーン事件が広く世に知られるようになったと紹介しました。

「2022年末のタモリさんの発言『新しい戦前』は共感を呼び定着してきたが、現在は『新しい戦中』の前夜とみるべきではないか。今年、参政党が示した憲法構想案の前文に『國體』が使われているが、かつての治安維持法の威力の源泉に『国体』があった。『国体』の魔力に人々は畏怖・恭順し、呪縛され統制され動員されたのである。治安維持法は1928年に最高刑が死刑となった。

1985年、中曾根内閣による国家秘密法の制定は国民の反対により廃案になったが、すでに特定秘密保護法は制定され最高刑を10年としている。1937年からの『戦中』にかつての軍機保護法は最高刑を死刑と変え、その中で宮澤さん、レーンさんが破格に重い懲役15年とされた。今また検討されているスパイ防止法案は『極端な思想』をもつこと自体を罪として処罰する。最高刑をどうしようとしているのか。治安維持法現代版の登場という段階にきている。」と強調しました。

 

 吉田栄一氏は「宮澤・レーン事件裁判と思想検事」と題して、当時の思想検事(思想犯罪を取り締まる検事)らが警察官と共に「使命感」を持って国家権力による弾圧に加担していた実態を報告しました。

 山形定氏は「北海道大学における軍学共同の現状と研究の自由」と題して、北大の軍事研究に関わる歴史と現状を報告。2018年に防衛省の助成を辞退しましたが、総長解任後に採択件数は増加し、2022年の経済安全保障推進法では軍事技術開発への研究者の動員も出現している現状について問題提起しました。

 考える会では北大創基150周年に向け、北大の外国人教師官舎跡地に「心の会」のモニュメント設置を実現すべく要請を続けていることを、参加者に訴えました。